プリント基板実装の手法と接続端子の種類まとめ

Industry4.0・Society5.0などで提唱されたように、これからの製造業や産業がデジタル技術と連携することが必要な社会において、様々な製品・デバイスのIoT化が進められています。これらの製品・デバイスには動作スピードの高速化・高密度な部品実装を伴う集積化の要求が高く、その心臓部となるプリント基板上の電子回路の重要性が今後一層増していくと考えられています。

さまざまな製品に用いられている電子回路は、プリント基板の上に電子部品を固定、配線することで構築されています。電子回路に実装される部品には、コンデンサ、抵抗器、コイル、ダイオード、トランジスタ、スイッチ等多種多様なものがありますが、製品に求められる機能や制約を考慮した上で設計、実装されることがとても重要です。

今後はウェアラブルデバイスなどの小型IoT機器の普及により、ますます高密度化が求められ、製品仕様に応じたカスタマイズも求められています。今回は、プリント基板上の部品実装手法を解説するとともに、接続端子分野で30年以上の歴史を持つアイクレックス株式会社に代表的な接続端子の一部をご紹介いただきました。

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プリント基板の部品実装手法

プリント基板上に何かを実装する方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、基本的な実装手法についてご紹介します。

はんだ付け

はんだ付けとは、熱で溶かしたはんだによって金属を接合する作業で、「半田付け」とも表記されます。
金属の接合においては、機械的強度をあまり必要としない用途に用いられます。接合後の金属間に良好な導電性をもたらすことから、電子部品や電線、プリント基板、端子、コネクタなどの配線部品を接合し、電気回路を形成する用途として広く用いられています。

はんだの一般的な組成は、Sn(錫)にAg(銀)3%、Cu(銅)0.5%の合金です。以前は鉛(Pb)を含むものが広く使われていた時代もありましたが、その有害性が指摘され、現在では鉛フリーのはんだが一般的になりました。

はんだ付けの対象となる主な金属には、銅、真鍮、鉄(トタン、ブリキなど)、またそれらにニッケルなどをメッキしたものが一般的で、アルミニウムやステンレスのはんだ付けは困難と言われています。
手作業で行う場合は、通常ははんだごてを用いますが、直火で加熱する方法もあります。

IMT(Insertion Mount Technology 挿入実装技術)

リード(足)のある部品を実装する時に用いる実装手法です。リード部分をPWB(プリント基板)に開けた穴に挿入したのちにはんだ付けを行います。人の手によって挿入する手挿入とマシン挿入2つの方法があります。挿入機は部品のタイプによって使い分ける必要があります。カーボン抵抗をはじめとする横型の部品の挿入にはアキシャル部品挿入機、アルミ電解コンデンサなどの縦型部品の挿入には、ラジアル部品挿入機を用います。

SMT(Surface Mount Technology 表面実装技術)

プリント基板上にはんだペースト(はんだの粉末にフラックスを加えて、適当な粘度にしたもの)を印刷し、その上に部品を載せてから熱を加えてはんだを溶かし、接着する方法です。部品の小型化・高密度実装化の進展に伴い、近年ではこの方式が主流となり、日々改良が行われています。

前述のIMT(挿入実装技術)は基板の強度を保つために穴どうしの間隔を確保する必要があります。そのため、高密度な配線や集積が困難でした。SMT(表面実装技術)では、基板の強度が保たれ、基板上の配線も穴に制約されずに設計することが可能になりました。電子部品の集積密度が向上することで基板のサイズ自体の小型化を図ることができます。

穴の空いたステンレス製の型紙(メタルマスク)上で、へらを使ってはんだペーストをしごくことにより、部品を接合する予定部分に一定の厚さでハンダペーストを塗ります。塗布された部分に部品を実装した後、リフロー炉の中で、基板と部品を加熱・冷却することで接合します。現在、これらのほとんどのプロセスがオートメーション化されています。

プリント基板の接続端子いろいろ

プリント基板に部品を実装した基板モジュールだけでは、製品として成り立ちません。基板モジュールの外部に、あるいは基板モジュール内に接続するための接続部品・接続端子が必要です。
効果的に部品の実装、基板同士の接続、製品の組立をするために、さまざまな種類の接続端子が提供されています。ここでは、その一部をご紹介します。

【ピン】
基板への部品の実装、基板と基板を接合するなど、さまざまな用途で用いられる接続端子です。
主に銅合金、鉄合金で作られ、導電性や曲げ性や引張強度、はんだ付け濡れ性、ろう付け性、めっき性が求められます。
形状も断面が丸状の丸ピンと四角の角ピンなどの種類があります。

【タブ】
平型のコネクタ式の端子で、リセプタクルを差し込むことで接続します。形状と電流容量により、さまざまな種類があります。
ファストン端子が代表例です。

【ピンヘッダー】
ピンヘッダーを用いることで、複数のピン端子を任意の本数・間隔で一度に接続することができます。また端子を補強する効果もあります。
一般的なものは、樹脂モールドベースに等間隔(1.27mm、2mm、2.54mmピッチ)でピンが並んでいるもので、最適なものを選択し使用することになります。特殊なものとしては、基材を用いたベース部にピンが等間隔もしくは、変則的な間隔で並んでいるタイプもあります。この場合は、カスタム生産となります。

【フィーメールヘッダー】
樹脂モールドベースに等間隔(1.27mm、2mm、2.54mmピッチ)でピンが並んでいるピンヘッダーのように、特定のサイズ、ピッチに並んだ複数のピンの集合と同時に接続できます。適した嵌合のピンのサイズ、ピッチ、ピンの列数の確認が重要です。

【プレート端子】
基板のパターン強化に使用される端子です。
また、基板の一部のパットだけを金メッキにしたい場合、金メッキのプレート端子を実装することで、基板に部分金メッキをほどこすことが不要となります。

【リボン端子】
リボン端子とは、ケーブルなどを圧着する際に用いる帯状の端子です。圧着機に取り付けられたリボン端子は、カット、フォーミング、圧着され最終的に線同士を接続する圧着端子となります。
リボン端子の材質は、真鍮、ステンレス、銅ニッケル合金などがあります。

【フレキシブル接続部品】
マグネットワイヤーを利用したフレキシブルな接続用部品です。
基板と基板を様々な形態に取り付けることができ、 基板同士の接続形態の自由度が向上します。

【ジャンパー端子】 
離れた電気回路間をつなぐ端子です。プリント基板や制御盤において、回路上に配線等で短絡し電炉にショートカット(ジャンプ)をつくります。製品仕様によって回路を使い分けるときなどにも、ジャンパー端子が用いられます。


<表>さまざま種類の接続端子の形状と特徴(図の提供:アイクレックス株式会社様)

まとめ

いかがでしたでしょうか。新しい製品の試作品を製作する過程では、求める機能を実現するために、設計・加工上の課題や、製品化に向けた原価・生産効率の改善など考慮しなければならないことがあると思います。プリント基板への部品実装に際しても、適した手法や部品の特徴を知って正しく選択し活用することが重要です。また、これらの技術は日々進化し、新しい部品も開発されているので、最新情報を確認したり、プロに相談することで突破口が開けるかもしれません。


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アイクレックス株式会社

1988年に株式会社ASエンジニアリングとして埼玉県川越市に創業し、以来2011年埼玉県狭山市の新社屋に移転後の現在に至るまで、主に接続用端子や電気接続用部品類の設計製造販売を行う。端子の成形加工にとどまらず、挿入機の開発も行うことから、実装(挿入)技術も保有。接続用部品を購入したお客様が実際に製品に実装するところまでを想定して、適切な製品の提案が可能。

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